ガーナ 煙の中の少年たち

ガーナ 煙の中の少年たち

111031 OAbr 煙の中の少年たちbr br の町の一角に、使えなくなった電化製品がbr 山のように積まれている。br これらはアメリカやヨーロッパ、そして日本などの先進諸国からリサイクルや寄付とbr いう名目で送られてきた物。これらは力ずくで壊され、コードやケーブルだけがbr 引き抜かれて、それを焼却場で子ども達にわずかなお金を渡して焼かせ、中の銅線をbr 取り出す。こうして取り出された銅は、ガーナ国内の大手輸出業者へと運ばれ、br そこから再び海外へと輸出されていく。br ここで働く少年たちは1000人以上。その中の一人「ダガラ(15)」は貧しさゆえに故郷br を離れ、仕事を求めてこの焼却場にきて3年が経った。彼は、少しでも早くコードのbr カバーを焼く為、燃料代わりにタイヤや発泡スチロールを一緒に燃やす。だが、このbr 時に出る真っ黒な煙には、発ガン性物質の『ダイオキシン』や、DNAを傷付けるbr 『ベンゾピレン』、ぜんそくの原因となる『硫黄酸化物』といった有害物質が含まれ、br 「ダガラ」の体をむしばんでいる。又、焼けたビニールや火花で、足には、無数のbr やけどの傷跡が。br br 仕事を終えた「ダガラ」が向かったのは、ゴミで埋め尽くされた道の先にある木造のbr コンテナのような自分の家。同年代の4人の友人たちと暮らしているが、トイレもbr キッチンもなく、公共の洗い場が風呂代わりだ。br br 数日後、「ダガラ」は3年ぶりに里帰り。故郷の町「タマレ」までは、およそ800km。br 祖母や兄弟、親戚たちに迎えられ嬉しそうな「ダガラ」。そこへ息子の帰郷を知り、br 特別に仕事を早く切り上げた父親が帰ってきた。再会を喜び抱き合う2人。しかし父br は息子の体についた見覚えのない傷跡に黙って触れながら、息子の仕事の話に耳をbr かたむけていた。すると「ダガラ」が、ポケットから15セディを取り出した。少ないbr 収入からコツコツと貯めた彼の全財産。日本円で770円ほどに過ぎないが、ガーナでbr は大きな家計の助けとなる。br br その後、首都に戻った「ダガラ」は相変わらずコードを焼いている。br 彼の将来の夢は、お金を稼ぎ、家族みんなで暮らせる大きな家をつくることだという。


User: ysp

Views: 4

Uploaded: 2011-11-02

Duration: 14:26