20121101きょう辞職 石原知事「小説を書き終えた満足感」

By : Ryosuke Nakayama

Published On: 2013-12-29

54 Views

04:24

 13年半にわたる石原都政がきょう幕を閉じました。在職4941日で歴代の知事としては鈴木俊一知事に次いで2位の長さとなる石原知事は、晴れやかな表情で辞職の日を迎えました。きょう1日の知事の動きと発言を振り返ります。
 正午、石原知事は自宅を出発する前、大勢集まった報道陣から今の心境を問われ、作家の仕事に例えて「長い――ちょっと長過ぎたかもしれないが――かなりいい小説を書いた後の開放感と満足感」と話しました。都庁に着いた石原知事はここでも非常にすっきりとした表情で、辞職について「(寂しさは)全然ないね。心うきうきわくわくだよ、新しい仕事考えるときの」と話しました。
 午後1時からは都議会臨時会が開かれ、全会一致で辞職に同意しました。石原知事はあいさつの中で「『東京から日本を変える』という志の下に、皆さんの協力を得て東京ならではの新しい改革実践をやってきたと思う。これは決して私1人でできることではなく、都民を代表し都民の意思を反映された皆さまの協力あっての実績。日本の頭脳部であり心臓部である東京を活性化するために、それが日本の活性化につながると思うので、皆さん意志を同じくして新しい指導者の下に、この東京をより強い、したたかな日本を代表する大都市に仕上げていただきたいことを念願してあいさつに代えます。長いことありがとうございました」と述べ、これまでの都政について「皆さんの協力があってこそ」と感謝の意を表しました。その後、知事は各会派にあいさつ回りをし、最後の言葉を交わしていました。あらためて正式に辞職となったことについて問われると知事は「(今の気持ちは)心は秋晴れ」と答えました。その後、都の幹部らが集まる庁議に出席した石原知事は「国の役人にはない発想でこれからも東京を引っ張ってください」とあいさつしました。
 そして午後2時すぎ、都庁職員らの拍手の中、退庁セレモニーが行われました。花束を手渡されると笑顔で職員らにあいさつし、映画『ロッキーのテーマ』の演奏が流れる中、万歳をして車に乗り込み、都庁を後にしました。
 きょうの石原知事は最後ということもあり、非常に晴れやかな満足感のある顔が印象的でした。13年半に及ぶ首都・東京の長としての肩の荷が一気に下ろされ、すでに心は次に向かっている様子がうかがえました。

 一方、石原知事の特別秘書を務めていた兵頭氏と高井氏の2人は、知事が委託する調査研究を行う都の専門委員に就任することが決まりました。また、次の知事が決まるまで職務代行を務める猪瀬副知事は、退庁セレモニーで石原知事と固く握手を交わし「石原知事と僕との会話はあうんの呼吸。目と目を合わせてちょっと胸が熱くなったが、これからも石原知事と――もう知事じゃなくなるが――定期的に話し合いをいろんなことでしていきたい」と話しました。猪瀬副知事はきょうも出馬については明言を避けました。
 石原知事の後任を選ぶ知事選挙は来月29日に告示され、12月16日に投票、即日開票されます。